相続人である父は認知症のため財産管理や自分のための判断も厳しいです

相談者のお母さまが亡くなられたことにより、相続手続きについてのご相談を承りました。相続人は相談者のお父さまとご長男である相談者、相談者の弟の3名様です。ご両親は、ご夫婦で事業を興され一代で財を成されたそうで、お母さま名義の預貯金や不動産もいくつか存在するとのことです。お母さまが残された遺言書の有無を確認したところ、お母さまの書かれた遺言書は無いとのことでした。

相続税申告の必要性が高いので、相続発生から10カ月以内の申告期限についてのご案内と、複数の不動産については評価についての注意点があることから税理士の先生に早目ご相談されることをお勧めしながら、相談内容をお聞きしていました。相続人の方が相続税のことを心配されるケースが多いのですが、今回の相談者の一番の心配事は、「父は遺産を相続できますか?」ということでした。
相談者のお父様は、1年ほど前に認知症と診断され、お金の管理や難しい判断をすることができない状態であり、現在はグループホームで生活をしているということで、「そんな状態の父でも、遺産を相続することができるのでしょうか?」というのが主な相談内容でした。

もちろん、お父さまも遺産を相続することができます。

けれど、ご自身で遺産の内容把握や遺産相続の手続きを行うことが困難であろうことが予測されるため、相談者であるご長男には、「成年後見制度」をご説明し、実際のお父さまの面談と主治医のお話を聞いたうえで、本当にお父さまがご自身のための判断も難しい状態であるならば、お父さまのためには成年後見制度を利用する必要があることをお伝え致しました。

その後、相談者のお父さまと弟さんともお会いし、お母さまの相続手続き(遺産分割協議)のために当職がお父さまの成年後見人に就任する方向でお話を勧めさせて戴くこととなりました。

家庭裁判所の関与する余地が大きいので、ご本人(今回のケースではお父さま)にとっても、成年後見制度は安心できる制度だと思われます。


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